3号着建造計画 第5次中間報告(その1)

作業内容 備 考
’00.07.17

いよいよ石膏型取りを始めますが、まずは材料(解説右参照)。

 いよいよ石膏による型取りを始める。石膏たらーーり。ぼたぼたぼた。
 きゃ〜!
 あら、ついでに著者近影も兼ねてますね(画面右端の足)

 で、今日の所は顔正面と頭頂部の石膏付けまで行って作業終了。
 実作業時間2.0h。
 石膏は樹脂入り石膏を使いました。
   吉野石膏ハイルストンHLP 1050円
 今回はシンジ面制作時の余り1/2と今回の面用に買った袋の1/2を使いました(詰まるところ、丁度一袋分使ったことになりますね)。
 この石膏は値段は少々高いですが強度が強いため、型取りに向いています。今回は最も薄いところで3mm程度の厚さの所もありましたが(意図してこんなに薄くしたわけではないので、FRP抜きの時がかなり心配です)、壊れることなく抜けました。ホームセンターにも石膏は売っていますが、これは強度がかなり弱いため、かなり厚く積まないと壊れてしまいます。
 実際FRPで面を作る際に、この石膏面の強度が弱くて作業途中で壊してしまうということをよく聞きます。このため私は失敗無く抜けるよう、強度第一で、値段には目をつぶって樹脂入り石膏を使っています。
 また、石膏を付ける前に石膏と粘土原型の剥離をよくするためにカリ石鹸を原型表面に塗ります。
 カリ石鹸500g 860円
 ・・・・が、別にカリ石鹸でなくても、普通の石鹸でもいいみたいです。我流で面を作っていた私は、当初そんなことは知る由もなく、ハンズの店員さんに教えられるまま買ってしまいました。
 これまで10回石膏型取りをしてますが、まだ容器の1/5も使っていないんです。ああ、お金勿体なかったなぁ・・・・

 新聞紙を丸めたものが3本交差して写っていますが、粘土原型が転がらないよう固定しています。
 写真中では石膏をたらした所を撮っていますが、実際にはどんどん石膏を塗りつけていきます。部分的に乾燥すると、石膏面にその痕が残ってしまうからです。
 それと言わずもがなですが、石膏は水とよくまぜておかないと、ダマの部分が出来て、そこを起点に割れてしまいます。
 一方で原型は立体的に出来ていますから、水を混ぜすぎるとダラダラ垂れてしまい、表面に盛りつけていけません。
 どの程度水を混ぜたらよいかは経験を積むしかないですが、私の感覚で行くと、タコ焼きの小麦粉より気持ち水分少な目くらい・・・が良いかと(^^;)

 それと、カナキリの仕切の間から石膏、水が漏れてしまうため、私は継ぎ目をセロハンテープで目張りしています。

 徐々に乾燥してくると、樹脂入り石膏の場合、表面が磨いたガラス質のようになめらかな感じになってきます。
 けれども、表面がなんとなく粉っぽかったり、ざらつき感があるときは水との攪拌が少なかったときです。こうなってしまった場合は石膏がポーラス(軽石状)になっていて強度が弱くなっています。原型から抜くときは細心にも細心の注意を払いましょう。
’00.07.18
 昨日の続きで左右の石膏付けを行います。
 でも、このときアクシデント!
 原型を左右に転がしている間に、頭頂部の石膏がかぱっと取れてしまいました。全然壊れもせずに・・・・うう、マンモスラッキー!!
 この日の実作業時間2.0h

西崎にリズムと力・・・つい、新聞を読みに行ってしまう私・・・

 粘度原型から石膏を抜き取る作業はなかなか苦労します(FRPから抜き取るとき程ではないにしても)。石膏が欠けたり、最悪割れたり。あるいは原型が痛んだり・・・私も初めて抜いたときは足かけ3日かけて慎重に抜きました。
 だから、なんの苦労もナシに、勝手にかぱっと外れてくれるなんて、ハッピーな限りなんです。
’00.07.19

 石膏の抜き取り作業にかかります。石膏面を電気ストーブで加熱して外します。
 (写真は既に側面を取り除いた後の物)

 見事抜き取りに成功。石膏型も粘土原型も壊れることなく外せました。
 この日の実作業時間0.5h。

 石膏を塗ってから抜き取るまで何日くらい置いたらよいか?実験したことはありませんが、経験から言って一晩(12時間以上)〜2日くらいまでが良いようです。あまり長く放置しすぎると抜き取りにくくなります(石膏が収縮するのか?原型に食い込んでしまうようにも見えます)また、5〜6時間ではまだ柔らかく、もろく、壊れやすいようです。

 石膏を抜き取る時は、石膏面を加熱する事によって、石膏と粘度原型の間に残っているわずかな水分、空気を加熱し膨張させ、石膏を原型から浮き上がらせ、外します(蒸気機関の原理みたいなものですね)。
 人間が手をかけてむりやり剥がそうとすると、力は局部的にしか加わりませんから、石膏が欠けたり割れやすくなります。一方、加熱した場合は石膏全体に均一に力がかかりますから、むりなく剥がれてくれます。うまく行くと人間が手をかけなくても、加熱するだけで面がポロッと外れ落ちてくれることもあります。
 この方法を思いついてからは石膏抜きがうーんと楽になりました。以前は細心の注意を払いながらちょっとずつ力を入れて、少しづつ原型から石膏を浮き上がらせていきましたけど(3日くらいかかったこともありました)、今では30分足らずできれいに外せるようになりました。

 ただし、ある程度加熱したら自分の手で外しましょう。たいていの場合、そんなに力をいれずに剥がれてくれます。加熱しすぎると原型(インダストリアルクレイ)が熱によってぐちゃぐちゃになり、抜き取る際に原型を破損させてしまいますから。



 石膏型を外して、原型の顔が出てくるときは湯気が上がってたりするんですよね。思わず、「お疲れさまでした」って原型に言ってあげたいような気持ちになります(^^;)
 
’00.7.25
 抜き取った石膏型の凸凹部に油粘土(緑色)を指でしごいて塗りつけていきます。

 こうして平坦化した石膏型片をつなぎ合わせて石膏雌型を組み立てます。ここではついでに眉毛部分にノゾキ穴を作るように粘土で盛り立てを作りました。


 本日の実作業時間2.5h。

 石膏型表面には
・粘度原型から既にあった凸凹
・石膏の流れた痕、石膏が不均一に固まった凸凹
があって、かなり凹凸があります。これをこのままにしておくと、
・接触面積が増える分、石膏型からFRPを抜くときが大変
・FRP表面のやすりかけ・パテ盛り作業が大変
になります。このため、凸凹部分に粘土を塗りつけて、平坦化します。
 また、ゆがんでいると感じた部分に粘土を薄く盛りつけていくのも良いでしょう。写真で緑が濃い部分ほど凸凹が激しく(深く)、粘土をたくさんつけています。
 油粘土はホームセンターで売っている安い工作粘土でOKです。1個買っておけば、石膏型5〜6個分くらいは使えます。

 分割した石膏型片の接合面を瞬間接着剤で接合します。接合面は完全に一致しないので、あまりしっかり固定は出来ません。
 これだけでは強度が足りないので、ちょっとした衝撃で外れてしまいがちです。外周をサランラップで巻くとうまく固定できます。テープ類では石膏面にうまく、くっつきませんが。ラップは伸縮性があるので(しかも安い)、外周をぐるぐる巻きにしちゃうと、がっしり押さえ込めます。
 それから、接合面の隙間にも粘土を塗り込み、段差を平坦化し、隙間を埋めていきます。

 本当は眉毛下のノゾキ穴を作る予定はありませんでした。が、石膏雌型を組み立てて顔にかぶせたとき、目の位置が下過ぎて、視界が十分に確保できそうにないと感じました。そこで、急遽作成しました。正しい位置に出来ていると良いけど・・・・
 FRPを硬化させてから、眉の下のノゾキ穴のような細いスリットを上手く切り抜く方法があれば、そちらのほうがいいのですけど。
 誰か良い方法をご存じでしたら教えて下さい。

 以上、第5次中間報告その1(7月下半期の前半)終。
 
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